
「理由ははっきりしないのに、なぜか落ち着かない」
「胸のあたりがざわざわして、ずっと緊張している」
「考え事が止まらなくて、休んでいるのに休めていない」
そんな日、ありませんか?
仕事、人間関係、育児、将来への不安——ストレスって、気合いで消すものじゃなくて、たいていは"溜まって気づくもの"です。
だからこそ必要なのは「元気になる方法」より、まずは今のそわそわを"1段下げる手順"。
この記事では、アロマ(精油)を"スイッチ"として使いながら、たった3分でできる呼吸ワークをセットにして、心が落ち着きやすい状態へ寄せる方法をまとめました。
※精油は治療ではありません。ここでは「セルフケアの補助ツール」として扱います。安全に使うための注意点も必ず確認してください。
目次
そもそも「そわそわ・落ち着かない」は何が起きている?

ストレスが高いときって、脳と体は"危険に備えるモード"になりやすいと言われます。
ストレス状態でよく起こること:
- 呼吸が浅くなる
- 肩が上がる
- 心拍が上がる
- 目と頭が冴えてしまう
- 些細な刺激に反応しやすくなる
この状態で「落ち着こう」と頭だけで頑張ると、逆に空回りしがち。
なぜ「考えるだけ」では落ち着けないのか
ストレスを感じているとき、私たちの自律神経は「交感神経優位」の状態になりやすいと考えられています。これは、体が「戦うか逃げるか」の準備をしている状態。
この状態では:
- 呼吸が浅く速くなる
- 筋肉が緊張する
- 心拍数が上がる
- 消化機能が抑制される
頭で「落ち着かなきゃ」と思っても、体がこの状態のままでは、なかなか心は落ち着きません。
だからこそ、この記事では「体(呼吸)→気分」の順に整えていきます。
アロマテラピーが"ストレスの日"に相性がいい理由

アロマテラピーは、精油の香りを吸入したり、希釈して皮膚に使ったりして楽しむ補完的アプローチです。米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)も、アロマテラピーは主に香りの吸入や希釈しての皮膚使用という形で用いられると説明しています。
ストレスとアロマテラピーの研究
ストレス・リラックス文脈でよく語られるのは、香りが「気分の切り替え」や「落ち着く合図」になりやすいからです。
実際、ストレスに対するアロマテラピーの研究もあり、健康成人を対象にしたレビューでは、ストレス指標(主観評価や唾液コルチゾールなど)を評価した臨床試験が整理されています。
また、職場ストレス領域では、ベルガモット精油などを用いた研究報告もあります(ただし小規模など限界はあります)。
アロマテラピーの限界も理解しておこう
一方で、アロマテラピーが常に期待通りの結果を示すわけではなく、対象や状況によって"差が出る"ことも報告されています。
つまり:
- 「必ずストレスが減る」とは断定できない
- でも、「気分の切り替えの助けになる可能性がある」
- 個人差が大きい
この記事でのゴール設定
だからこそ、この記事では期待値をこう置きます:
目指すのは:
- ストレスを「ゼロ」にすること、ではない
- "そわそわを1段下げて、休める状態へ寄せる"こと
- そのための「合図」と「習慣」を作ること
香りは万能ではないけれど、自分を労わるための小さな道具として使えます。
安全に使うための最低ルール

精油を使う前に、必ず確認してほしい安全ルールです。
絶対に守ってほしいこと
- 原液を皮膚に直接塗らない
全米ホリスティックアロマセラピー協会(NAHA)も、未希釈での塗布を推奨していません。必ず希釈してください。 - 飲用は避ける
カナダ保健省の公的モノグラフでも、精油の経口摂取は推奨されていません。 - 体調が悪い日・喘息や呼吸器症状がある日は中止
無理に使わないでください。 - まずは「少量」「短時間」から
香りが強すぎると逆に気分が悪くなることがあります。 - 柑橘系精油は光毒性に注意
グレープフルーツ、ベルガモット、レモンなどは、皮膚につけた後に日光に当たると反応を起こす可能性があります。 - 妊娠中・持病・服薬がある場合は慎重に
必要であれば専門家に相談してください。 - 子どもやペットがいる空間は特に慎重に
換気・微量・届かない場所での使用を心がけましょう。
これらのルールを守った上で、次のセクションに進みましょう。
今日からできる:ストレスをやわらげる「3分呼吸ワーク」

呼吸法は研究も多く、ゆっくりした呼吸は自律神経(心拍変動など)に影響しうることが示されています。英国国民保健サービス(NHS)もストレス時の呼吸法をセルフケアとして紹介しています。
ここでは、初心者でもやりやすい"3分版"を、アロマテラピーとセットで行います。
準備(30秒)
環境を整える:
- できれば窓を少し開ける(換気)
- 香りは強くしない(「ほんのり」レベル)
- ディフューザーがなければ、ティッシュに1滴でもOK
注意:
- 体調が悪い日、喘息・呼吸器症状がある日は無理にやらないでください
- 香りで気分が悪くなる場合も中止してください
3分呼吸ワーク(基本形)
ポイントは"吐く息を長く"です。
呼吸の呼は「息を吐く」という意味です。まずはしっかり息を吐くことを意識します。息を吐き切れば身体は勝手に息を吸ってくれます。
やり方:
- 鼻から吸う:4秒
- 口から吐く:6秒
- これを3分(だいたい18回前後)
途中で苦しくなったら:
- 秒数は短くしてOK
- 「数えるのが疲れる」日は、吸うより吐くを少し長めにするだけでもOK
うまくできているサイン
こんな変化を感じたら、ちゃんとできています:
- 肩が少し下がる
- 胸の詰まりがほんの少し緩む
- 目のピントが"遠く"に戻る感じがする
- 「今だけは大丈夫かも」が1%でも出る
これで十分です。
大事なのは、"今の体"に「安全」を少しだけ知らせること。完璧を目指さなくて大丈夫です。
"そわそわの日"におすすめの精油の使い方

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、精油は主に吸入や希釈して皮膚に使う形で用いられると説明しています。
安全面としては、皮膚刺激・アレルギー、柑橘系の光毒性(日光で反応)などの注意が知られています。
初心者におすすめの使い方(安全性順)
① 芳香(吸入)=いちばん簡単・低リスク
方法:
- ディフューザー:自動で香りを拡散
- マグカップ芳香:熱湯+精油を部屋の端に置く(やけど注意)
- ティッシュ1滴:近くに置く(顔に近づけすぎない)
メリット:
- 道具が少なくて済む
- 香りが強くなりにくい
- 肌トラブルのリスクが低い
② ピローミスト="合図"にしやすい
方法: 寝る前に同じ香りをシュッと一吹き
メリット:
- 「休むスイッチ」になりやすい(条件づけ)
- そわそわする夜と相性がいい
- 持ち運びやすい
③ ロールオン=外出時のお守り(※希釈必須)
方法: 原液は避け、キャリアオイルで薄めて使う
メリット:
- 外出先でも使える
- 香りが控えめ
- 人目を気にせず使える
注意:
- 全米ホリスティックアロマセラピー協会(NAHA)も未希釈塗布を推奨していません
- 必ずパッチテストを行ってください
ストレスをやわらげる香り:選び方のヒント

"落ち着きやすいと感じられる香りの方向性"として、選び方のヒントを置いておきます。
タイプ別:香りの方向性
A)緊張・不安が強い日
おすすめ方向性:
やさしいフローラル/落ち着くハーブ調
よく使われる精油:
- ラベンダー(定番。研究も比較的多い)
- カモミール系
- クラリセージ
ポイント:
強い香りで一気に変えようとしない。微量から始める。
B)イライラ・焦りがある日
おすすめ方向性:
柑橘系の明るさ/爽やかさ
よく使われる精油:
- ベルガモット(研究報告もあり)
- スイートオレンジ
- グレープフルーツ(光毒性に注意)
ポイント:
柑橘系は気分を軽くしてくれる可能性がありますが、強すぎると疲れる人も。少量で。
C)考え事が止まらない日
おすすめ方向性:
ウッディ/樹脂系/深い落ち着き
よく使われる精油:
- フランキンセンス
- シダーウッド
- サンダルウッド
ポイント:
"地に足がつく"感じの香り。頭の回転を少し落ち着かせたいときに。
すぐ作れる:ストレスケア用ブレンドレシピ5選

ここでは、ストレスをやわらげたい日に使いやすい、目的別のブレンドレシピをご紹介します。
全レシピ共通の注意:
- 精油は医薬品ではありません
- 飲用は避けてください
- 妊娠中・持病がある方は使用前に相談を
- 肌に刺激を感じたら即中止してください
レシピ1)3分呼吸の相棒:ティッシュ芳香
材料:
- ティッシュ:1枚
- 精油:1滴
よく使われる精油の組み合わせ:
- ラベンダー単体:1滴
使い方:
- ティッシュに精油を1滴垂らす
- デスクの端/枕元の"少し離れた位置"へ置く
- 3分呼吸の間だけ香らせる
メリット:
- 道具ゼロ、香りが強くなりにくい
- すぐに試せる
注意:
- 肌に触れない
- 子ども・ペットの誤触に注意
レシピ2)緊張をほどくブレンド:ディフューザー用
配合(合計4〜6滴):
- ラベンダー:2滴
- ベルガモット:2滴
- フランキンセンス:1滴
特徴: 落ち着きと明るさのバランスが取れたブレンド。仕事の後、頭を切り替えたいときに。
使い方:
- ディフューザーに水と一緒に入れる
- 3分呼吸ワークの間に香らせる
- 換気を忘れずに
注意:
- ベルガモットは光毒性に注意(肌につけた場合)
- 香りが強すぎる場合は滴数を減らす
レシピ3)寝る前の合図:ピローミスト(50ml)
材料:
- 無水エタノール:5ml
- 精製水:45ml
- 精油(合計3〜6滴、最初は3滴推奨)
おすすめブレンド:
- ラベンダー:2滴
- カモミール・ローマン:1滴
- スイートマージョラム:1滴
作り方:
- スプレーボトルにエタノール→精油の順で入れて振る
- 精製水を入れてさらに振る
- 使う前にも軽く振る
使い方:
- 枕に直接より、空中に1〜2プッシュ(微量)
- 毎晩同じ時間に使うと「休むスイッチ」になる
注意:
- 目・粘膜にかからないように注意
- 肌に刺激を感じたら即中止
レシピ4)イライラリセットブレンド:ディフューザー用
配合(合計4〜6滴):
- スイートオレンジ:3滴
- イランイラン:1滴
- ゼラニウム:1滴
特徴: 明るく温かみのある香り。イライラや焦りを感じる日に、気分を軽くする助けに。
使い方:
- ディフューザーで15〜30分
- リビングやデスク周りで
注意:
- イランイランは濃厚な香りなので、滴数は控えめに
- 気分が悪くなったら中止
レシピ5)外出先用:ロールオン(10ml)※超薄め
材料:
- キャリアオイル(ホホバなど):10ml
- 精油:合計1〜2滴(かなり薄い)
おすすめブレンド:
- ラベンダー:1滴
- ベルガモット(フロクマリンフリー推奨):1滴
作り方:
- ロールオンボトルにキャリアオイルを入れる
- 精油を加えてよく混ぜる
使い方:
- 手首ではなく腕の内側などで少量から
- かゆみ等があれば中止(パッチテスト推奨)
注意:
- 柑橘系は光の影響に注意(特に日中)
- 未希釈での使用は避ける
- 全米ホリスティックアロマセラピー協会(NAHA)も希釈を推奨しています
うまくいかない日の調整ポイント

香り×呼吸でも落ち着かない日、あります。そんな時は「失敗」じゃなく、調整です。
よくある困りごとと対処法
困りごと1:香りが強すぎて気分が悪くなる
→ 滴数を半分に減らす
→ ティッシュ芳香に切り替える
困りごと2:3分が長く感じる
→ 90秒に短縮
→ それでも長ければ、呼吸を意識するだけで十分
困りごと3:数えるのが疲れる
→ 吐く息だけ長くすることだけ意識
→ 秒数は気にしない
困りごと4:そもそも疲労が強すぎる
→ 温かい飲み物+目を閉じるだけでOK
→ 無理に呼吸ワークをしなくていい
効果を感じにくいとき
呼吸法は短時間すぎる介入(例:5分未満)が期待通りの結果につながりにくい可能性も指摘されていますが、まずは"続けられるサイズ"で始めるのが現実的です。
大切なのは:
- 完璧にやることではなく
- 自分に合う形を見つけること
- 続けられる小さな習慣にすること
受診・相談を考える目安

セルフケアは大事ですが、以下が続くなら一人で抱えないでください。
相談を検討すべきサイン:
- 不安・落ち込み・不眠が続き、日常生活に支障がある
- 動悸・過呼吸など身体症状が強い
- 食欲が極端に落ちた、または過食が止まらない
- 自分を傷つけたくなる考えが出る
※医療判断はできないため、心配な場合は早めに医療機関・相談窓口へ
ストレスは"消す"より"1段下げる"

ストレスがゼロの人なんていません。
大切なのは、「ストレスを完全に消すこと」ではなく、「そわそわを1段下げて、休める状態に寄せること」。
今日からできる最小セット
- 香りを微量(ティッシュ1滴でOK)
- 吐く息を長めに3分
- それだけで十分
完璧を目指さなくていい。今日、少しだけ楽になれたら、それで成功です。
あなたの心が、少しでも軽くなりますように。
睡眠習慣をさらに深めたい方へ
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参考文献
- NCCIH(米国国立補完統合衛生センター)「アロマセラピーの基礎知識」
https://www.nccih.nih.gov/health/aromatherapy - PubMed「健康成人におけるストレスとアロマセラピー:レビュー」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/ - PMC(PubMed Central)「職場ストレスに対するベルガモット精油の研究」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/ - PubMed「アロマセラピーの効果のばらつきに関する研究」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/ - PMC「呼吸法と自律神経機能に関する研究」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/ - ScienceDirect「ゆっくりした呼吸の生理学的効果」
https://www.sciencedirect.com/ - NHS(英国国民保健サービス)「ストレス時の呼吸エクササイズ」
https://www.nhs.uk/mental-health/self-help/guides-tools-and-activities/breathing-exercises-for-stress/ - Mayo Clinic「手術後の回復とアロマセラピー」
https://www.mayo.edu/ - NAHA(全米ホリスティックアロマセラピー協会)「精油の安全な使用ガイドライン」
https://naha.org/ - カナダ保健省「精油の経口摂取に関するモノグラフ」
https://webprod.hc-sc.gc.ca/ - アメリカがん協会「アロマセラピーと安全性」
https://www.cancer.org/ - EPARK リラク&エステ「ストレス緩和とアロマテラピー」
※この記事の内容は、医療行為や治療を目的としたものではありません。精神的・身体的な不調が続く場合は、医療機関(心療内科・内科など)への相談をおすすめします。
あなたの今日が、少しでも穏やかなものになりますように。