
鼻がつまって眠れない。
目がかゆくて集中できない。
薬は飲んでいるのに、なんとなく体がだるい。
花粉シーズンって、症状そのものより「生活全体が崩れる」のがつらいんですよね。
この記事では、精油、ハーブ、呼吸法を組み合わせた「トリプルケア」で、花粉シーズンの日々のつらさを"少しラクにする"方法をまとめます。
※このページは、花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療ではなく、日々のつらさを"少しラクにする"ための補助ケアをまとめています。症状が強い場合は医療機関へ相談してくださいね。
目次
花粉シーズンって、何がしんどい?(症状+生活の崩れ)

花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、人それぞれ。
でも、本当につらいのは「症状そのもの」よりも「生活全体が崩れること」かもしれません。
花粉シーズンによく起こる"生活の崩れ"
鼻づまり → 睡眠の質低下
- 夜、鼻がつまって眠れない
- 口呼吸で喉が乾燥して起きる
- 眠りが浅く、朝すっきりしない
睡眠の質低下 → 日中の集中力低下
- 仕事や家事に集中できない
- ぼーっとして、ミスが増える
- イライラしやすくなる
薬の副作用
- 眠気が出る抗ヒスタミン薬
- 口が乾く
- だるさが抜けない
症状そのものだけでなく、睡眠、集中力、気分、すべてが連鎖してつらくなる——これが花粉シーズンの本当のしんどさです。
トリプルケアの考え方:薬+セルフケアで「生活の質」を上げる

花粉症の治療は、病院での診断と適切な薬が基本です。
でも、「薬は飲んでいるけど、もう一段ラクになりたい」——そんなときに役立つのが、精油・ハーブ・呼吸を組み合わせたセルフケアです。
3つのケアの役割分担
① 精油:気分・不快感の切り替え、ケアの"合図"
役割:
- 鼻や頭の重だるさを感じたときの気分転換
- 「ケアの時間」を知らせる合図として
- 香りで心を少し軽くする
注意:
治療ではなく、あくまで補助的なケア。香りが刺激になる人もいるので、無理は禁物。
② ハーブ:生活に取り入れやすい"内側からの支え"
役割:
- ハーブティーなど、日常に取り入れやすい形で
- 体を温める、リラックスするなど、生活の快適さをサポート
注意:
「体質を変える魔法」ではありません。安全性と品質を確認して使用。
③ 呼吸:その場でできる"落ち着くスイッチ"
役割:
- 鼻がつらいとき、呼吸が浅くなりがち
- ゆっくり呼吸することで、緊張や息苦しさを和らげる
- 道具不要で、どこでもできる
注意:
鼻づまりを"治す"わけではありませんが、体の緊張を少しほどくことができます。
この3つを組み合わせることで、花粉シーズンの「つらい → 眠れない → さらにつらい」の負のループを、少しだけ和らげることができます。
精油編:鼻の不快感がつらい日に"香りを使う"コツ

花粉シーズンと精油の関係
花粉の季節は、鼻や目の症状だけでなく、眠りの浅さやだるさで生活全体が崩れやすい時期です。
香り(精油)は治療ではありませんが、ケアの合図として使うことで「不快感で固まった体のスイッチ」を切り替えやすくなります。
アレルギー性鼻炎で精油を用いた研究報告もありますが、感じ方には個人差が大きいので、この記事では"ほんのり・短時間"を基本に紹介します。
研究から見えてくること
アレルギー性鼻炎で精油の吸入を使った試験報告や、精油スプレーを用いた研究報告があります。
ただし、研究の条件や対象者はさまざまで、「すべての人に同じ効果がある」とは言えません。
重要な注意点(必ず読んでください)
香りが刺激になる人がいます:
- 花粉症で鼻や喉が敏感になっているとき、強い香りは逆効果になることも
- 喘息の方は特に注意(精油が気管支を刺激する可能性)
- 「香りが心地よくない」と感じたら、すぐに中止
安全な使い方:
- 精油は必ず希釈(原液を直接肌につけない)
- 少量・短時間から始める
- 妊娠中、授乳中、持病がある方は医療者に相談
- 乳幼児やペットがいる環境では特に慎重に
- 換気を忘れずに
花粉シーズンに使いやすい精油
※「この精油が花粉症に効く」と断定はできません。あくまで「使いやすい精油」として紹介します。
A)すっきり系:頭や鼻の重だるさを感じるとき
よく使われる精油:
- ペパーミント
- ユーカリ・グロブルス
- ユーカリ・ラディアータ
- ティーツリー
- ローズマリー・シネオール
特徴:
シャープな香りで、鼻や頭がすっきりする感覚。
鼻づまり・くしゃみ等に使われる ヴイックス ヴェポラッブ は成分にユーカリ油が使われています。また、成分にあるdl-カンフルはローズマリーや樟脳油に含まれる成分ですし、l-メントールはミント系の精油に含まれます。
注意:
- ペパーミント:刺激が強い。喘息の方は特に注意。妊娠初期・授乳中は控える
- ユーカリ:乳幼児(特に3歳未満)への使用は避ける。喘息の方は慎重に
- ローズマリー:高血圧、てんかんの方は使用を避ける。妊娠中は控える
B)緩める系:緊張や息苦しさを感じるとき
よく使われる精油:
- ラベンダー(真正ラベンダー)
- カモミール・ローマン
- フランキンセンス
特徴:
やさしく落ち着く香り。呼吸が浅くなっているときに。
注意:
- ラベンダー:一般的に安全性が高いが、まれにアレルギー反応あり
- カモミール:キク科アレルギーの方は注意
使い方の基本:「ほんのり・短時間」
初心者におすすめの方法:
- ティッシュ芳香(1滴)
ティッシュに精油1滴を垂らし、デスクの端に置く。顔に近づけすぎない。 - ディフューザー(少量・短時間)
通常より少ない滴数で、15〜30分程度。換気を忘れずに。 - 吸入(慎重に)
マグカップにお湯を入れ、近くに香りを置く(お湯に直接精油を入れない)。やけど注意。
※皮膚への使用(ロールオンなど)は、鼻や目の周りを避け、パッチテスト必須。
ハーブ編:花粉シーズンに取り入れやすい候補と注意点

ハーブは「体質を変える魔法」ではなく、毎日の負担を軽くする"生活の選択肢"として考えるのが安全です。
取り入れやすいハーブティー
ここでは、食品として一般的なハーブティーを中心に紹介します。
※鼻炎への治療効果は断定しません。あくまで「生活の快適さ」の話として。
ペパーミント
特徴:
すっきりとした香りと味。鼻や喉がすっきりする感覚。
飲み方:
食後や、鼻がつまって息苦しいときに。
注意:
妊娠初期・授乳中は控える。胃食道逆流症の方は注意。
カモミール(ジャーマンカモミール)
特徴:
やさしい香りで、リラックスしたいときに。
飲み方:
夜、眠る前に温かいカモミールティー。
注意:
キク科アレルギーの方は避ける。妊娠初期は控える。
エルダーフラワー
特徴:
ヨーロッパで伝統的に使われてきたハーブ。マスカットのような香り。
飲み方:
温かいお茶として。
注意:
妊娠中は控える。過剰摂取は避ける。
サプリ系ハーブ:要注意情報
バターバー(Petasites hybridus/フキの仲間)
バターバーはアレルギー性鼻炎の症状に関する研究・レビューがある一方で、製品によっては肝毒性が問題になる成分(ピロリジジンアルカロイド・PA)が懸念され、注意喚起もあります。
重要な注意:
- PAフリー(ピロリジジンアルカロイド除去済み)などの品質管理がされた製品を選ぶ
- 自己判断での長期使用を避ける
- 肝機能に不安がある方は使用しない
- 不安があれば医療者に相談
※この記事では、バターバーの使用を推奨するものではありません。興味がある場合は、必ず医療専門家に相談してください。
ハーブを安全に取り入れるポイント
- 食品としてのハーブティーから始める
- サプリメントは自己判断で長期使用しない
- 持病がある方、服薬中の方は医療者に相談
- 妊娠中・授乳中は特に慎重に
- 「自然=安全」ではないことを理解する
呼吸編:鼻がつらい日ほど「呼吸でラクになる」ミニワーク

鼻がつまっていると、自然と呼吸が浅くなります。呼吸が浅いと、体は緊張モードになりやすい。
この呼吸ワークの目的は、鼻づまりを"治す"ではなく、緊張・息苦しさ・ストレス反応を少し下げることです。
英国国民保健サービス(NHS)の呼吸法をベースに、3〜5分でできる手順に落とします。
3分ゆっくり呼吸ワーク
準備:
- 楽な姿勢で座る、または横になる
- 肩の力を抜く
- 「深く吸おう」としなくてOK
やり方:
- 鼻からやさしく吸う(可能なら)
鼻がつまっている場合は、口からでもOK。無理しない。 - 口からゆっくり吐く(吸うより少し長め)
吐く息を丁寧に。「ふーっ」とゆっくり。 - これを3分続ける
数えるのが疲れる場合は、タイマーをセット。
ポイント:
- 「深く吸おう」としなくてOK
- "吐く"を丁寧にするだけで、体の緊張が少しほどけます
- 鼻がつまっていても、口呼吸でゆっくり吐くだけで効果あり
※NHSでも、無理のない範囲でゆっくり呼吸を続ける方法が紹介されています。
うまくできているサイン
- 肩が少し下がる
- 胸の詰まりがほんの少し緩む
- 「今だけは大丈夫かも」が1%でも出る
これで十分です。完璧を目指さなくて大丈夫。
今日からできる:トリプルケアの使い分け(朝・昼・夜)

朝(出かける前):短時間で切り替える
やること:
- 香り(短時間):ティッシュ芳香1滴を1分だけ
- 呼吸(1分):肩を落として、吐く息を長めに
- ハーブ(無理なく):時間があれば温かいハーブティー
ポイント:
朝は時間がないので、無理のない範囲で。香りと呼吸だけでもOK。
昼(職場・外出先):30秒の緊急スイッチ
やること:
- 呼吸(30秒):トイレや休憩室で、ゆっくり3呼吸
- 香りを合図(任意):ロールオン(後述)を少量
ポイント:
鼻がつまって息苦しいとき、30秒だけ呼吸を整えるだけで、少し楽になります。
夜(眠る前):休む合図を作る
やること:
- 呼吸(3分):ベッドに入る前に、ゆっくり呼吸
- 香り(軽く):ピローミスト(後述)を1〜2プッシュ
- ハーブ(任意):カモミールティー1杯
ポイント:
花粉シーズンは鼻づまりで眠りが浅くなりがち。「休む合図」を作ることで、少しでも眠りやすい状態に。
すぐ作れる:花粉シーズンのケアレシピ5選

ここでは、花粉シーズンに使いやすい、安全性重視のレシピをご紹介します。
全レシピ共通の注意:
- 精油は医薬品ではありません
- 飲用は避けてください
- 妊娠中・持病がある方は使用前に相談を
- 香りが刺激になる場合はすぐに中止
レシピ1)ティッシュ芳香(1滴):短時間の気分切り替え
材料:
- ティッシュ:1枚
- 精油:1滴
おすすめ精油:
- ペパーミント:1滴
- またはユーカリ・ラディアータ:1滴
使い方:
- ティッシュに精油1滴を垂らす
- デスクの端に置く(顔に近づけすぎない)
- 1〜3分だけ、ほんのり香りを感じる
ポイント:
いちばん簡単で、事故りにくい。鼻がつまって息苦しいときに。
【注意】
- 肌に触れないように
- 香りが強すぎる場合は距離を離す
- 喘息の方は特に注意
レシピ2)スチーム芳香(やけど注意):短時間のすっきり感
材料:
- マグカップ:1個
- お湯(熱湯)
- 精油:1滴(お湯に直接入れない)
おすすめ精油:
- ユーカリ・ラディアータ:1滴
やり方:
- マグカップにお湯を入れる
- 近くにティッシュ芳香(精油1滴)を置く
- 湯気と香りを"ほんのり"感じる(1〜2分)
重要な注意:
- お湯に精油を直接ドボドボ入れない(濃度が高くなりすぎる)
- やけどに注意
- 顔を近づけすぎない
- 喘息の方は避ける
レシピ3)ピローミスト(50ml):夜の休む合図
材料:
- 無水エタノール:5ml
- 精製水:45ml
- 精油:合計2〜3滴(花粉シーズンは少なめ)
おすすめブレンド:
- ラベンダー:2滴
- フランキンセンス:1滴
作り方:
- スプレーボトルにエタノール→精油の順で入れて振る
- 精製水を入れてさらに振る
- 使う前にも軽く振る
使い方:
- 空中に1プッシュ(枕から離して)
- 毎晩同じ時間に使うと「寝る合図」になる
【注意】
- 鼻や目に直接かからないように
- 香りが刺激になる場合は使用中止
レシピ4)ハーブティー+呼吸3分:夜のセット
材料:
- カモミールまたはペパーミントのハーブティー:1杯
やり方:
- 温かいハーブティーを淹れる
- ゆっくり飲みながら、吐く息を長めに
- 3分だけ、呼吸を整える
ポイント:
温かい飲み物と呼吸のセットで、体と心が落ち着きやすい。
【注意】
- カモミールはキク科アレルギーの方は避ける
- ペパーミントは妊娠初期・授乳中は控える
レシピ5)お守りロールオン(10ml):外出先の緊急用
材料:
- キャリアオイル:10ml
- 精油:1滴(かなり薄め)
おすすめ精油:
- ペパーミント:1滴
作り方:
- ロールオンボトルにキャリアオイルを入れる
- 精油を加えてよく混ぜる
使い方:
- 腕の内側など、鼻や目から離れた場所に少量
- つけた後は深呼吸
【注意】
- 鼻や目の周りは絶対に避ける
- パッチテスト必須
- ペパーミントは刺激が強いので、敏感肌の方は特に薄めに
安全の注意点・受診目安

こんな症状があれば、すぐに医療機関へ
- 強い鼻閉が続き、息苦しい
- 喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)
- 発熱
- 長引く副鼻腔症状(頭痛、顔の痛み)
- 目の充血や痛みが強い
- 精油を使って症状が悪化した
精油の使用で注意すべきこと
- 刺激で悪化する人がいます:香りが合わない場合はすぐに中止
- 喘息の方は特に慎重に:精油が気管支を刺激する可能性
- 妊娠中・授乳中:使用前に医療者に相談
- 乳幼児やペット:特に慎重に。換気を十分に
ハーブ・サプリの注意
- 相互作用:服薬中の方は医療者に相談
- 品質管理:信頼できるメーカーの製品を選ぶ
- 長期使用:自己判断で長期使用しない
- 「自然=安全」ではない:ハーブにも副作用やリスクがあります
花粉シーズンは"少しラクにする"を意識

花粉シーズンを完全に快適に過ごすのは難しいかもしれません。
でも、精油・ハーブ・呼吸の「トリプルケア」で、つらさを"少しラクにする"ことはできます。
今日からできる最小セット
- 朝:香り1分+呼吸1分
- 昼:呼吸30秒(トイレで)
- 夜:呼吸3分+ピローミスト
完璧を目指さなくていい。今日、少しだけ楽になれたら、それで成功です。
あなたの花粉シーズンが、少しでも穏やかなものになりますように。
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参考文献
- PubMed「アレルギー性鼻炎と精油吸入に関する研究」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/ - システマティックレビュー「アレルギー性鼻炎に対するアロマセラピーの効果」
- NHS(英国国民保健サービス)「ストレス時の呼吸エクササイズ」
https://www.nhs.uk/mental-health/self-help/guides-tools-and-activities/breathing-exercises-for-stress/ - NCCIH(米国国立補完統合衛生センター)「アロマセラピーの基礎知識」
https://www.nccih.nih.gov/health/aromatherapy - NAHA(全米ホリスティックアロマセラピー協会)「精油の安全な使用ガイドライン」
https://naha.org/ - Tisserand Institute「精油の希釈と安全性」
https://tisserandinstitute.org/ - PubMed「バターバー(Petasites hybridus)とアレルギー性鼻炎に関するレビュー」
- FDA「バターバー製品の安全性に関する注意喚起」
- 日本耳鼻咽喉科学会「アレルギー性鼻炎診療ガイドライン」
※この記事の内容は、医療行為や治療を目的としたものではありません。花粉症(アレルギー性鼻炎)の症状が強い場合や、日常生活に支障がある場合は、医療機関(耳鼻咽喉科・アレルギー科など)への相談をおすすめします。
あなたの花粉シーズンが、少しでも穏やかなものになりますように。