
「今日も疲れたのに、なぜか眠れない…」 「ベッドに入っても、頭の中でToDoリストがぐるぐる回る」
そんな夜を過ごしていませんか?
実は、体は疲れていても脳が休めていない状態が続くと、いくら横になっても深い眠りに入れません。これが「脳疲労」です。
この記事では、脳疲労とは何か、そしてどうすれば夜に脳をしっかり休ませて、泥のように深く眠れるのか——一般的に知られている知見と、日常で取り入れやすいナイトルーティンをまとめました。
目次
そもそも「脳疲労」とは?体の疲れとの違い

情報過多・マルチタスクで脳がオーバーヒート
「脳疲労」とは、情報の処理が過剰になることで起こる精神的な疲労状態のことです。筋肉痛のような"体の疲れ"とは違い、脳が使いすぎによって機能低下を起こしている状態を指します。
私たちは日々、仕事のメール、SNSの通知、会議、家事の段取り…と、無数の情報を処理し続けています。特に現代では、スマホ一つで簡単に膨大な情報が流れ込んでくるため、脳は常に「働きっぱなし」の状態に。
この状態が続くと、集中力の低下、判断ミスの増加、感情のコントロールが難しくなる、といった症状が現れます。そして最も深刻なのが、「休んでも疲れが取れない」という感覚です。
脳疲労が続くと、眠りの質も落ちる理由
脳が疲れたまま夜を迎えると、本来リラックスを担当する「副交感神経」がうまく働かず、興奮や緊張を司る「交感神経」が優位なままになってしまいます。
その結果:
- 寝つきが悪くなる
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝起きてもスッキリしない
- 寝る前に考え事が止まらない
つまり、体は横になっていても、脳は"オン"のままなのです。
だからこそ、夜のルーティンで意識的に脳を「オフモード」に切り替えることが、深い眠りへの第一歩になります。
科学的に見た"脳を休める"ポイント

スマホや通知を切ることの意味(強制的に情報入力を止める)
脳を休ませる最も効果的な方法の一つが、情報の入力を強制的に、物理的にストップすることです。
寝る前にスマホを見ると、ブルーライトの影響で睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されるだけでなく、SNSやニュースといった情報が次々と脳に流れ込み、脳が「処理モード」から抜け出せなくなります。
「あと5分だけ」と思ってスマホを見始めると、気づけば30分、1時間経っている…。思い当たりませんか?
これでは脳が休まるはずがありません。
ポイント:
- 就寝1時間前にはスマホを別の部屋に置く
- アラームは専用の目覚まし時計を使う
- どうしてもスマホが必要なら、ブルーライトカット機能とナイトモードをオンに
睡眠衛生として推奨される「寝る前の環境づくり」
良質な睡眠を得るために、睡眠医学では「睡眠衛生」という考え方が推奨されています。これは、眠りやすい環境を整えるための習慣のことです。
主なポイント:
- 光のコントロール: 夜は明るい光(特に白色や青白い光)を避け、暖色系の間接照明に切り替える
- 室温の調整: 寝室を少し涼しめ(16〜19℃程度)にすると入眠しやすい
- 音の管理: 静かすぎても気になる場合は、ホワイトノイズや自然音を小さく流す
- カフェインとアルコール: 夕方以降は避ける
これらを意識するだけで、脳と体が「そろそろ眠る時間だ」と認識しやすくなります。
泥のように眠るためのナイトルーティン

ここからは、具体的なナイトルーティンを時間軸に沿ってご紹介します。すべてを完璧にこなす必要はありません。
自分に合うものから少しずつ取り入れてみてください。
① 帰宅〜就寝2時間前:光と音を落としていく
帰宅したら、まずは部屋の照明を少し暗めに切り替えましょう。明るい蛍光灯ではなく、間接照明や暖色系のライトにするだけで、脳が「夜モード」に入りやすくなります。
この時間帯にぜひやってほしいのが、「頭の中のToDo断捨離」です。
やり方:
- 紙とペンを用意する
- 頭の中にある「明日やること」「気になっていること」を、思いつく限り書き出す
- 書き終えたら、「今日はここまで。明日考える」と心の中で区切りをつける
こうすることで、脳が「考えるべきこと」を一時的に"外部保存"でき、ベッドに入ってからぐるぐる考えてしまうのを防げます。
ちなみにToDo断捨離と少し目的は違いますが「良かったことや嬉しかった」ことを書くのもおすすめです。
② 就寝90分前:軽いストレッチやお風呂(アロマバス)

体温のリズムを利用して、眠りやすい状態を作ります。
人は体温が下がるタイミングで眠くなるため、就寝の90分前にお風呂で体を温めると、その後自然に体温が下がり、スムーズに入眠できます。
このとき、湯船にリラックス作用がある精油を数滴垂らすのもおすすめ。嗅覚を通じて副交感神経が刺激され、リラックスモードに切り替わりやすくなります。
お風呂上がりには、軽いストレッチやヨガで体をほぐしましょう。激しい運動は逆効果なので、ゆったりとした動きを心がけてください。
③ 就寝30分前:スマホを物理的に離す
ここが勝負どころです。就寝30分前には、スマホを寝室の外に置きましょう。
「でも目覚ましが…」という方は、アナログの目覚まし時計を用意するか、スマートウォッチのバイブ機能を使うのも手です。
この30分間は、自分だけの静かな時間。読書(紙の本)、日記を書く、好きな音楽を聴く、など、画面を見ない穏やかな活動を選びましょう。
この時間に取り入れたいのが「アロマディフューザー」や「ピローミスト」です。
毎晩同じ香りを嗅ぐことで、脳が「この香り=寝る時間」と学習し、条件づけのスイッチとして機能します。
④ ベッドに入ってから:呼吸法・ボディスキャン瞑想

ベッドに入ったら、すぐに寝ようと焦らないことが大切です。
まずは「4-7-8呼吸法」を試してみましょう:
- 4秒かけて鼻から息を吸う
- 7秒息を止める
- 8秒かけて口からゆっくり息を吐く
- これを3〜4回繰り返す
一般的に、このような呼吸法はリラックスを意識するきっかけとして紹介されています。
次に、ボディスキャン瞑想もおすすめです:
- つま先から順番に、体の各部位に意識を向ける
- 「今、足に力が入っているな」と気づいたら、ゆっくり力を抜く
- 力が抜けない気がしたらわざと思いっきり力を入れてから、ゆっくり力を抜いてみる
- 頭のてっぺんまで意識を巡らせる
この作業をしているうちに、自然と眠りに落ちていることが多くなります。
脳を"オフモード"に切り替えるアロマの使い方

ここからは、夜の脳疲労リセットに役立つ精油の具体的な使い方をご紹介します。
リラックス系精油の研究と効果
ラベンダーやベルガモットといった精油には、心を落ち着かせる作用があることが複数の研究で紹介されています。ただし、精油はあくまで「補助的なツール」であり、万能薬ではありません。
香りの効果は個人差が大きく、「この香りが絶対に効く」というものはありません。大切なのは、自分が心地よいと感じる香りを選ぶことです。
「香り=スイッチ」として、毎日同じ香りを寝る前だけに使う戦略
精油を睡眠ルーティンに取り入れる最大のポイントは、「条件づけ」を利用することです。
毎晩同じ香りを寝る前だけに使うことで、脳が「この香り→眠る時間」と学習し、香りをきっかけに、寝る前の気持ちの切り替えがしやすくなる人もいます。
使い方のコツ:
- ディフューザーは寝室で就寝30分前から使用
- ピローミストは枕やシーツに1〜2プッシュ
- ロールオンタイプなら、手首や首筋に塗る
脳疲労リセット用アロマブレンドレシピ5選
ここでは、香りの系統別に5パターンのブレンドレシピをご紹介します。ディフューザーに使う場合は、合計4〜6滴を目安にしてください。
① フローラル系|定番のリラックスブレンド
- ラベンダー:3滴
- ゼラニウム:2滴
- ローマンカモミール:1滴
優しく包み込むような花の香り。緊張をほぐし、安心感をもたらします。
② 柑橘系|明るい気分で眠りたい夜に
- ベルガモット:3滴
- スイートオレンジ:2滴
- プチグレン:1滴
爽やかでありながら心を落ち着ける香り。気分が沈んでいるときにおすすめ。
③ ウッディ系|深い森で眠るようなイメージ
- シダーウッド:2滴
- サンダルウッド:2滴
- フランキンセンス:1滴
落ち着きと静けさを感じさせる森林浴をしているような香り。瞑想やヨガとの相性も抜群。
④ ハーバル系|頭をクリアにしてから眠りたい人に
- クラリセージ:2滴
- ラベンダー:2滴
- マージョラム:1滴
ハーブの深い香りが、考えすぎる頭を鎮めてくれます。
⑤ ブレンド上級編|5種の精油で"究極のリラックス"
- ラベンダー:2滴
- ベルガモット:1滴
- イランイラン:1滴
- サンダルウッド:1滴
- ベチバー:1滴
複雑でリッチな香りが、特別な夜のルーティンを演出します。
どうしても眠れない夜の"諦め方"と病院受診の目安

どれだけ工夫しても、眠れない夜はあります。そんなときは、「無理に寝ようとしない」ことも大切です。
眠れないときの対処法
- ベッドから出て、別の部屋で静かに過ごす(読書や軽いストレッチ)
- 「今日は眠れなくても大丈夫」と自分に言い聞かせる
- 温かいハーブティー(ノンカフェイン)を飲む
焦れば焦るほど、脳は覚醒してしまいます。「眠れなくても死なない」と肩の力を抜くことが、実は一番の近道だったりします。
病院受診を考えるべきサイン
以下のような症状が続く場合は、不眠症や他の睡眠障害の可能性があります。専門医(睡眠外来、心療内科など)への相談を検討しましょう。
- 週3回以上、1ヶ月以上眠れない日が続く
- 日中の生活に支障が出ている(仕事でミスが増える、集中できない)
- 強い不安や落ち込みがある
- いびきや呼吸の乱れを指摘されたことがある
睡眠は健康の土台です。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。
小さな習慣から、脳と体を癒す夜を

脳疲労をリセットして泥のように眠るためには、特別な道具や大きな変化は必要ありません。
必要なのは:
- 情報を遮断する勇気(スマホを離す)
- 頭の中を整理する時間(紙に書き出す)
- 体と心をほぐす習慣(お風呂、ストレッチ)
- 香りで脳にスイッチを入れる(精油)
そして何より、「完璧を目指さない」こと。
できる日もあれば、できない日もあります。それでいいのです。
まずは今夜、一つだけ——例えば「寝る30分前にスマホを離す」だけでも試してみてください。
小さな一歩が、やがてあなたの夜を、そして朝を変えていきます。
あなたが今夜、深く、心地よく眠れますように。
参考文献
- Lab BRAINS - 脳疲労の科学的解説
- 東洋経済オンライン(2記事) - 脳疲労の実態と現代社会の課題
- 国立精神・神経医療研究センター(NCNP) - 睡眠・覚醒障害研究と睡眠障害ガイドライン
- 日本睡眠学会 - 睡眠薬ガイドラインと不眠症の基礎知識
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この記事が少しでもあなたの夜に安らぎをもたらせますように。
※本記事は医療行為や治療を目的としたものではなく、
日常生活の中でリラックス時間を整えるための情報提供を目的としています。