目次
- 0.1 秋冬に増える「なんとなく不調」とは
- 0.2 自律神経が乱れる原因と秋冬の関係
- 0.3 自律神経を整える香りのメカニズム
- 0.4 心のバランスを整える4つの香り
- 0.5 朝と夜で使い分ける香り習慣
- 0.6 自律神経ケアのための香りブレンドレシピ
- 0.7 🌿 自律神経ケアのためのアロマブレンドレシピ10選
- 0.7.1 ① 朝のリズムを整えるリフレッシュアロマスプレー 🌞
- 0.7.2 ② 午前中の集中アロマスプレー(仕事・勉強向け)
- 0.7.3 ③ 午後のだるさをリセットするブレンドミスト
- 0.7.4 ④ 帰宅後のリセットアロマ(お部屋用スプレー) 🌆
- 0.7.5 ⑤ バスソルト「ゆるむ夜のブレンド」 🛁
- 0.7.6 ⑥ バスソルト「前向きになる朝風呂ブレンド」
- 0.7.7 ⑦ 夜のリラックスブレンド(寝室ディフューザー用) 🌙
- 0.7.8 ⑧ 枕元スプレー「深い眠りのための香り」
- 0.7.9 ⑨ セルフマッサージオイル「気分を整える香り」
- 0.7.10 ⑩ 瞑想・深呼吸ブレンド(おやすみ前のメンタルケア) 🕯️
- 0.7.11 💡 使うときのポイント
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秋冬に増える「なんとなく不調」とは

朝起きてもなんとなくだるい。やる気が出ない、気分が沈む、眠っても疲れが抜けない──。
こうした「原因がよくわからない不調」は、秋から冬にかけて特に増えます。医学的には「季節性情動障害(SAD)」と呼ばれる軽いうつ状態もあり、日照時間の減少によって脳内のセロトニンが減少し、自律神経のバランスが崩れやすくなることが知られています。
加えて、気温差・乾燥・年末の忙しさ・人間関係のストレスなど、心身に小さな負担が重なりやすい季節。「自律神経を整える」という発想が、心と体を穏やかに保つ鍵になります。
自律神経が乱れる原因と秋冬の関係
自律神経は、心拍・呼吸・体温・消化など、無意識に行われる体の働きをコントロールしています。交感神経(活動モード)と副交感神経(休息モード)がバランスよく切り替わることで、心身は安定します。
しかし秋冬はこのバランスが乱れやすい季節です。
- 日照時間の減少 → セロトニン低下 → 気分の落ち込み
- 寒暖差 → 体温調節ストレス → 自律神経の疲労
- 室内時間の増加 → 運動不足・呼吸の浅さ
- 年末の仕事・人間関係のストレス
これらの要因が重なり、気づかないうちに"心の疲れ"が蓄積されます。
アロマセラピーの香りは、この自律神経に直接働きかける数少ない自然のツールのひとつ。香り分子が嗅覚を通じて脳(大脳辺縁系)に届くことで、情動やホルモン、自律神経活動に作用します。
自律神経を整える香りのメカニズム

香りは脳の奥にある「視床下部」に信号を送ります。視床下部は自律神経とホルモン分泌の中枢であり、ここが安定することで心身のリズムが整っていきます。
- リラックス精油(副交感神経を優位に):ラベンダー、サンダルウッド、ゼラニウムなど
- リフレッシュ精油(交感神経をやさしく刺激):ベルガモット、クラリセージなど
重要なのは「一方だけに偏らせず、昼は活動的に、夜は静かに」という"リズムをつくる"使い方。これが、香りによる自律神経ケアの基本です。
心のバランスを整える4つの香り
🌿 ベルガモット(Citrus bergamia)
明るく甘い柑橘の香りで、"心の太陽"とも呼ばれる精油。不安や緊張を和らげ、気分を前向きに整えます。季節性うつ(SAD)の研究でも、ベルガモット精油の吸入が気分を改善する傾向が示されています(2017年 米ユタ大学研究)。朝のディフューザーにおすすめです。
🌸 ゼラニウム(Pelargonium graveolens)
ローズに似た華やかでやさしい香り。ホルモンバランスの乱れによる気分の揺れやPMSにも効果的とされ、女性の強い味方です。心身のバランスを「ちょうどよく保つ」作用に優れています。夜のリラックスタイムにも最適です。
🌾 クラリセージ(Salvia sclarea)
深く落ち着いた甘さがあり、不安や緊張で息が浅くなった時に心をゆるめてくれます。女性ホルモン(エストロゲン)様作用がある成分を含むため、更年期・生理前の気分変動にも役立ちます。ただし妊娠中の使用は避けましょう。
🌲 サンダルウッド(Santalum album)
重厚でウッディーな香り。瞑想・ヨガでもよく使われ、心を静め、集中力を高める効果が知られています。寒い季節に心を"芯から落ち着かせる"香りで、睡眠の質を改善する助けにもなります。
朝と夜で使い分ける香り習慣
☀️ 朝:リズムを整える「リフレッシュアロマ」
ベルガモット 2滴 + クラリセージ 1滴 + レモン 1滴
太陽の光が弱い朝でも気持ちが前向きに。ディフューザーまたはマグカップ法で香りを拡散します。
🌙 夜:副交感神経を優位にする「リラックスアロマ」
ゼラニウム 2滴 + サンダルウッド 1滴 + ラベンダー 1滴
呼吸を深め、眠りのスイッチをオンにする香り。枕元スプレーや寝室での拡散が効果的です。
このように時間帯で香りを切り替えることで、日中の交感神経と夜の副交感神経の切り替えがスムーズになります。
自律神経ケアのための香りブレンドレシピ
香りの"習慣化"が最大のポイント。たとえば「朝ベルガモットを焚くと一日が始まる」「夜ゼラニウムを嗅ぐと眠る準備」──この条件反射が自律神経のリズムを整えていきます。
🌿 自律神経ケアのためのアロマブレンドレシピ10選
(使用精油:ベルガモット/ゼラニウム/クラリセージ/サンダルウッド)
① 朝のリズムを整えるリフレッシュアロマスプレー 🌞
目的:朝の交感神経をやさしく目覚めさせる
ブレンド内容
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ベルガモット … 3滴
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クラリセージ … 1滴
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レモン … 1滴(補助)
作り方
無水エタノール10mlに精油を入れよく混ぜ、精製水40mlを加える。
よく振って使用。
使い方
朝の洗面時や出勤前に、空間・衣服の上からひと吹き。
呼吸を整え、前向きな気分で1日をスタート。
② 午前中の集中アロマスプレー(仕事・勉強向け)
目的:頭をクリアに保ち、自律神経のバランスを維持
ブレンド内容
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ベルガモット … 2滴
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クラリセージ … 1滴
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ペパーミント … 1滴
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サンダルウッド … 1滴
使い方
デスク周りに軽くスプレー。
呼吸が深まり、集中とリラックスのバランスが取れる香り。
③ 午後のだるさをリセットするブレンドミスト
目的:午後の倦怠感・気分の落ち込み対策
ブレンド内容
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ゼラニウム … 2滴
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ベルガモット … 2滴
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クラリセージ … 1滴
使い方
空気がこもりがちな午後、デスクにスプレー。
ホルモンバランスや気分をやさしく整える香り。
④ 帰宅後のリセットアロマ(お部屋用スプレー) 🌆
目的:外の緊張モードから、家のリラックスモードへ切り替える
ブレンド内容
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ゼラニウム … 3滴
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サンダルウッド … 2滴
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ベルガモット … 1滴
使い方
玄関やリビングにスプレーして空間をリフレッシュ。
深呼吸とともに副交感神経をオンに。
⑤ バスソルト「ゆるむ夜のブレンド」 🛁
目的:冷え・緊張・疲労を和らげて睡眠へ導く
ブレンド内容
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サンダルウッド … 2滴
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ゼラニウム … 2滴
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クラリセージ … 1滴
作り方
天然塩(50g)に精油を加えて混ぜ、バスタブに溶かす。
使い方
38〜40℃のぬるめのお湯で15分。香りとともに深呼吸を。
⑥ バスソルト「前向きになる朝風呂ブレンド」
目的:休日の朝や気分転換に。交感神経をやさしく起こす
ブレンド内容
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ベルガモット … 3滴
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ゼラニウム … 1滴
-
レモン … 1滴
使い方
短時間の朝風呂で、体と心のスイッチを入れる。
⑦ 夜のリラックスブレンド(寝室ディフューザー用) 🌙
目的:副交感神経を優位にし、眠りの質を整える
ブレンド内容
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サンダルウッド … 2滴
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ゼラニウム … 2滴
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ベルガモット … 1滴
使い方
寝る30分前にディフューザーで香りを拡散。
ゆったりとした呼吸を促し、睡眠前の心を静める。
⑧ 枕元スプレー「深い眠りのための香り」
目的:寝る直前の自律神経リセット
ブレンド内容
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ゼラニウム … 2滴
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サンダルウッド … 1滴
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ラベンダー … 1滴
作り方
無水エタノール5ml+精製水45mlに精油を混ぜる。
使い方
枕や寝具に軽くスプレー(直接顔にかけない)。
心が緩み、眠りのスイッチが入ります。
⑨ セルフマッサージオイル「気分を整える香り」
目的:肩・首のこりや緊張をほぐす
ブレンド内容
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ホホバオイル … 10ml
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クラリセージ … 1滴
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ゼラニウム … 1滴
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サンダルウッド … 1滴
使い方
首筋や鎖骨まわりをやさしくマッサージ。
ホルモンバランスと血行促進をサポート。
⑩ 瞑想・深呼吸ブレンド(おやすみ前のメンタルケア) 🕯️
目的:呼吸と心を整える瞑想香
ブレンド内容
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サンダルウッド … 3滴
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ゼラニウム … 1滴
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ベルガモット … 1滴
使い方
ティッシュやアロマストーンに垂らし、静かな時間を過ごす。
自分の呼吸と香りが一体化し、思考が穏やかに沈静します。
💡 使うときのポイント
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精油は合計5滴以内が目安(濃度1〜2%程度)
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妊娠中・授乳中はクラリセージ使用を避ける
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体調に合わせて香りを少なめに調整する
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使用後は必ず換気・休息をとる
香りを活かすセルフケアのコツ

1. 深呼吸をセットにする
香りを嗅ぐときは、鼻から3秒吸って、口から6秒吐く。副交感神経が優位になり、呼吸そのものが"整える行為"になります。
2. 光を味方にする
朝はカーテンを開けて自然光を浴びながらベルガモットを。光と香りの刺激を同時に受けると、セロトニン分泌が促されます。
3. 生活リズムを固定化する
毎日ほぼ同じ時間に香りを取り入れることで、脳が「安心のパターン」として記憶します。
改めて精油の使用に関する注意点をおさらい
- 精油は原液を直接肌につけない
- 妊娠中・授乳中のクラリセージ使用は避ける
- ペットがいる環境では拡散を控えめに
- 体調不良が続く場合は必ず医療機関を受診
まとめ
秋から冬にかけての「なんとなく不調」は、心と体のリズムのズレ。香りを使ったアロマセラピーは、そのリズムをやさしく整える自然のケアです。
ベルガモットで朝を明るく、ゼラニウムで夜を穏やかに。香りの小さな習慣が、自律神経の安定を支える大きな一歩になります。